蔵元さんとの繋がり

 

田酒 西田酒造店(青森)

蔵元の西田さんと初めて会ったのはもう余裕で10年以上前。初めて会った時はちょっとビビったんですが、話をしてみると、もう驚く程にカジュアル!

出会ってまもなく取引もないのに「奈良萬」の東海林さんと(奈良萬もその時、取引無かった日本酒愛好家の下谷さんと4人で大阪でお好み焼き食いました(笑)別の日、西田さんを伊丹空港まで車で送る途中に見えた太陽の塔に西田さん激しくテンションアップで、予定変更して2人で太陽の塔を見に行きました(笑)


ある時めちゃ悩んでしまった時があって、それを西田さんに相談したところ、西田さんのひと言は猛烈に突き刺さりました。


「角本君は角本君でいいんだよ!今の角本君とウチは付き合ったんだから!」


今でも迷う時ありますけど、その時には西田さんが言ってくれた、シンプルな言葉を思い出してます。
そんなこんなでご縁を頂いて10年オーバー。常に危機感を持ちつつ攻めの姿勢で走りまくる「田酒」西田さんをワタクシ、大尊敬しております。



山和 山和酒造店(宮城)

飲食店さんでオススメされて「山和」という酒を見た時、こういうブランドがあることすら全く知らなかった。
話を聞いてみると、私なんかより余裕で若い人が造ってると知った数年後、会う機会があって喋ってみたら、もうね、伊藤さんというひとりの男、とにかくよく喋る(笑)
シュッとした感じ(その頃はシュッとしてた)からは全く見えない個性炸裂のキャラはなかなかオモロく、電話でもやっぱりよく喋ります(笑)

この蔵の酒はちょっと今の次元ではない何かが込められているような気がして、今もなおそれが一体何なのか分からないままですが、そこに「山和スタイル」がちゃんと表現されているような気がするんです。



会津娘 高橋庄作酒造店(福島)

当店が今ご縁を頂いている蔵元さんの中で最も長い付き合いをさせて頂いている、もっと言うなら今のかどや酒店がある「原点」、それがまさしく「会津娘」でございます。
大学の時の同級生が結婚するというので初めて会津若松を訪問したその日に蔵訪問させて頂きました。


この日の事はたくさん語る事があり、ここでは書き切れないから書きませんが、現蔵元である高橋亘氏(ワタクシと同い年)はバリバリ田んぼに入り米を栽培し、とにかく元気。髪の毛が真っ白になった今は更に風格が増して、私と同い年なのに余裕で貫禄と存在感を出しまくる、まさに「麦わら帽子が最も似合う蔵元ナンバーワン(福島「泉屋酒店」さんの言葉)」


米を知り尽くした男が米の特性を存分に生かして造る酒、それが「会津娘」なのであります。



磐城壽 鈴木酒造店(山形/福島)

蔵元の鈴木大介氏(ワタクシと同い年)とは、お互いまだ20歳代の時に大阪茨木市で初めて会いました。
その頃の鈴木大介氏は奈良の梅乃宿酒造さんで、現「玉川」のフィリップ・ハーパー氏と一緒に酒を造ってる時代だから、もう昔。


それから数年後「会津娘」高橋亘氏と「磐城壽」鈴木大介氏(この2人、実は大学時代の同級生で親友同士)が一緒に飲んでる時に高橋亘が「明日大阪に行くんだけど、行く?」と、鈴木大介を無茶ぶりで誘うと、「行く」と意味不明な二つ返事(笑)で、翌日千里丘駅で待ってたら、なぜか鈴木大介が!再会の瞬間でした。

それからしばらくして福島県浪江町を訪問し、取引スタート。
数年後、東日本大震災で彼は背負う必要が無かった大きなものを背負ってしまい、今もなお背負いながら前を向いて突き進んでいる、ホント尊敬できる男です。



あぶくま 玄葉本店(福島)

ある時「会津娘」高橋亘氏がウチに来てくれた時に、当店の冷蔵庫を見ながらひと言、「かどや酒店には『あぶくま』が似合うはず」と言い出し、その数年後に襲来した東日本大震災があったその年に福島県田村市にある玄葉本店さんを訪問。
それからの縁やから、既に10年以上経過しております。

蔵元の玄葉さん、なんかゆるーい感じに見えるんですけど、酒造りとの向き合い方が凄まじくて、毎年開催される全国新酒鑑評会で金賞受賞の常連。

「おめでとうございますー!」って伝えると、「あー、金賞獲ってたねー、ハハハ!」と、なんともまあやっぱりゆるーい感じ(笑)


宣伝しない、SNSもしない、表舞台に出ようともしない。でも実力が凄まじい。

今、「あぶくま」がとても人気です。
それを玄葉さんに伝えると、「ウチってありがたいことに前から日本酒業界の秘密兵器って言われてて今も秘密のまんまなんだよー。」って(笑)
オモロすぎる(笑)



飛露喜 廣木酒造本店(福島)

廣木さんと初めて会った時はもう業界では超有名人。自分なんかと会ってくれるはずないでしょみたいな感じで、ずっと勝手にそう決めつけてしまっておりました。
いろんな縁から廣木さんと会って話をさせてもらうと、もうね、毎回背筋がピンと伸びるというか、なんともいえない緊張感があって、それがとてもとても心地良いのであります。

そして、そんなにしょっちゅう連絡を取る訳でもないのに、ずっと見てくれているような感じもあって、「今度会ったら絶対にいい報告できるように酒屋がんばろ!」って思ってしまうんですよ。

ある時廣木さんとメシ食ってる時、廣木さんが私に言ってくれた言葉が実は私が今酒屋を継続して商い出来てる超原点になっております。どんな言葉だったのかはちょっとココでは余裕で言えませんが(笑)、はっきり言ってあの時廣木さんからその言葉をもらわなければ確実に今の自分はいないだろうなって断言出来てしまうほどでございます。

いい大人になると怒られる事が無くなってきます。でも廣木さんは叱ってくれます。そして良いことがあれば喜んでくれます。
そんな私の心のアニキ・廣木さんに、早く「ある事」で結果を出して報告しにいかないといけません。「ある事」が何かは言わへんけど(笑)(酒に全く関係ない事)

 

奈良萬 夢心酒造(福島)

もしかしたら今ご縁を頂いている蔵元さんの中で、1年で一番会って一番一緒に飲んでる蔵元さんかもしれない(笑)蔵元の東海林さん、大阪に来る度に大阪市内じゃなく茨木市に泊まるんですが、その時はほぼ一緒に飲んでます。

奈良萬の取扱をしてない時から会えば一緒に飲んでました。今から考えると一番衝撃でオモロかったのは、「田酒」の西田さん、「奈良萬」の東海林さん、飲み手のおっちゃん、そして私の4人で大阪でお好み焼きを食ったこと。私、西田さんとも東海林さんとも取引してないんですよ(笑)今でもこの時の話をする時があります。あれって何やったんやろねって(笑)


東海林さんとは酒の話もしますけど、9割がそれ以外の話。
メールだって、酒の事は皆無。
殆どが酒に関係ない事ばかりで、友達かい!って錯覚してしまう程ですからね(笑)


私にとって東海林さんは蔵元というよりANAのマイルの先生でもありまして(笑)、マイルを貯める時の裏技などをいろいろ伝授頂いております。
酒についてはもう「安心安定の『奈良萬』」ですから、毎回胸を張ってオススメしております。



写楽 宮泉銘醸(福島)

宮泉銘醸さんの事は、ずっと会津若松で染物屋をしている「安藤染店」の安藤から聞いておりました。「若松で頑張ってる『宮森』っていう男がいるから、またよろしく頼むよ」って。

その話がある時、バシッと繋がったんですよ。
仙台日本酒サミットという、蔵元と酒屋の勉強会の後の懇親会のテーブルにいた、見たことも会った事もない若者、宮森さんと名刺交換。

すると私も宮森さんも、大声で「あーー!」


「安藤さんから聞いてますよ!」「俺も安藤から聞いてますよ!」



その頃は「写楽」ブランドがまだ福島県内でのみ流通していた時。
それから数ヶ月後に、当店に並び、今に至ります。繋がりって不思議なものですね。

 

 

ロ万 花泉酒造(福島)

昔「幻の酒」と言われていたブランド「花泉」とは別に、全国に打って出る銘柄「ロ万」を立ち上げ、今も攻めまくっている花泉酒造の星さんは、他の蔵とは全く一線を画している蔵元さんで、血縁関係が全く無いのです。自ら経営者に志願し、背水の陣で望み攻めまくる彼の姿は、実は日本酒業界に元気を与えてくれてるんですよねー。

 

で、これは言うてもエエのか分からんですがワタクシ、最後は星さんに口説かれました。

「大阪では一番最初に、かどや酒店に『ロ万』を並べると決めていた」と(笑)

もうずっと知り合いやったんですけど、このひと言がきっかけで距離がグンと縮まったのは事実でございます(笑)
そしてコレ、言うとかなあきません。
星さんが社長になった今、酒質の向上具合がシャレになっておりません。
ただでさえオンリーワンなのに、それをどんどんブラッシュアップしまくっているというか、マジで凄いです。
定番の「ロ万」も、気がつけば在庫がなくなってしまっているっていうのが多々あって、さすが皆さん旨い酒の事はよく分かってはるなーって。


ちょっと花泉酒造さんから皆さん、目を離してはいけませんよ!



大那 菊の里酒造(栃木)

蔵元の阿久津さんと出会ったのは2011年、東日本大震災の時でした。
それから最終的に取引スタートするまで約5年くらいの時間があったんですが、その間、会えば喋るし一緒に飲むし、もうね、すんごいオモロい男なんですよ阿久津さんって。

その5年間に真面目な話もしつつ、いろいろ分かってきた事があったんです。
ウチと菊の里酒造さん、規模感が結構一緒やなって。
で、ある時から競うようになってきたんです。それもめちゃオモロくて。


そしてしばらくして阿久津さんから入電。

「そろそろウチの酒を並べる棚は空きましたか?」と。

その言葉に口説かれてしまいまして(笑)、蔵訪問して取引開始。今に至ります。

相変わらず攻めるオモロい男でございます(笑)
実は酒業界でも「大那の阿久津さんオモロいで」っていうのは定説でありまして、どこへ行っても人気者。


だいぶ前、阿久津さんはこんなオモロい事言うてました。


「お酒では『飛露喜』廣木さんには勝てないけど、この前ゴルフで廣木さんに勝ちました」と。

酒で勝負しようぜ(笑)

 

仙禽 せんきん(栃木)

蔵元の薄井一樹氏と最初に出会った時は、完全にマイナスからスタートしました。

「なんやねんこいつ、イキっとんなー」的な雰囲気を出してて、なんか嫌やったんです(笑)。

「あー、こういうタイプ、一生絡まないタイプやわ」って真剣に思ってたんです。
苦手なキャラやったから、彼の造る酒も飲む事もなく。でも会う度にだんだんオモロくなってきたんですよ、この男の事が。


ある試飲会に行ったら仙禽ブースに薄井一樹氏が。
見つからないように会場をウロウロしてたんですけど見事に見つかり、彼は私に会場に響くくらいデカい声で言いました。

「稔さん(私)!ウチの酒、飲んだ事ないでしょ!」って。

ホンマに飲んだ事なかったから「あんまり興味湧かへんねんなー」って言ったんですが、飲んでみたら、これがまた旨くて。
あまりお米を磨いてないのにこれがけクリアに仕上げてくる技術の高さに驚きまして、そんなこんなでいろいろあって取扱開始。


取扱開始した初めての冬、当店に初めて「仙禽雪だるま」が店頭に並んだんですが、その告知をすると、このお酒を目当てに続々とお客さんが来店。


「おいおいこれどういうこと?仙禽って、有名なん?」ってスタッフ「すみこ」に聞いたら、「そんなもん全然知らん」と。そうやんなー知らんよなー。

そこで初めて仙禽が業界でまあまあ有名やっていうことを知りました(笑)
今でも信じられないですけどね(笑)

 

〆張鶴 宮尾酒造(新潟)

初めて蔵を訪問した時は結構若かりし頃。ドキドキしながら蔵の玄関を開けた記憶があります。新潟酒ブームをずっと牽引してきたレジェンド的存在。

〆張鶴といえば淡麗旨口。優しく綺麗でふくよかな旨味を持つ〆張鶴は、もう世間の流行というものには目を向ける事なく、「ウチはウチ」というスタンスでオンリーワンを貫き通しております。

当店の担当をしてくれてるのは営業の高橋さん。

高橋さんが来阪した時、だいたい当日に連絡をくれることが多くて、いわゆる「プチゲリラ来店」がワタクシ結構嫌いじゃないのです。普通やったら不在の日でもあったりするんやろうけど、なぜか高橋さんから連絡を頂く時はほぼ店に居ますから、高橋さんからのプチゲリラ訪問に対応することが出来てしまってます(笑)

おそらく今度も「今近くにいてるんですけど」みたいな感じでプチゲリラ襲撃をうけると思います(笑)そしてプチゲリラ、大歓迎でございます(笑)

 

雅楽代 天領盃酒造(新潟)

「雅楽代」の加登さんと会ったのは2024年。某酒屋さんに誘ってもらって行ったお店に彼が居ました。「雅楽代」ブランドのデビューは業界人ならだいたいの人が知ってるくらいに様々な情報が広がっておりました。だって、24歳の若者がM&Aでいきなり蔵の経営者になったとか、前代未聞というか意味不明ですからね。

そんな加登さんと初めて会った日にメシ食いながらいろいろ喋ったら、30歳代前半の若者の脳みその中をだんだん知りたくなってきてしもたんです。

ウチの酒屋に来てくれた時に今度は私が佐渡に行く約束をして実際に佐渡に行って、加登仙一という若者の脳みその中を知ったんですけど、いやー、今まで私が会ってきた蔵元さんとはジャンルが全く違います。発想が全然違うというか、ホンマにオモロい脳みそを持ってる賢くてクールさもありつつの結構アナログなにいちゃんで、彼と絡ませてもらうことで私も絶対に成長できるぞと瞬時に思ってしまい今に至ります。

そして加登さんと会うときはずっと短パン。毎回短パンなんです。

寒い冬の佐渡でも短パンを貫き通して欲しいと私は真剣に加登さんに伝えなければいけません(笑)あともうひとつ。加登さんには「ハイチオールCが二日酔いに効くよ」と教えてもらったんですけど、それがきっかけで私のカバンの中には必ず「ハイチオールC」がボトルで入っております。

そう、私から見た加登さんは、「雅楽代」以上に、実を言うと、「短パン」と「ハイチオール」なのでございました(笑)



中乗さん 中善酒造店(長野)

「ちょっと飲んでみて」と信頼できる方に言われて飲んでみたら、ぶっちゃけ「なんじゃこりゃーーー!」って思ってしまったのです。で、夜遅めやったのに、その方に電話し、「なんっすか!この酒めちゃくちゃ旨いやないですか!」と高ぶった気持ちを抑える事が出来ずガンガントークしまったことを今でも覚えてます。

ワタクシ、どちらかというと酒と出会う前に人と出会う事が多くて、今回のような「酒を飲んで感動して蔵に行く」という流れは殆どありませんが、中善酒造店さんとの出会いは私にとって完全イレギュラー。

で、改めて蔵を訪問することになりまして経営者である南さんと会ったら、なんとまあ【同い年】やないですかー。私の好きな【同い年】というキーワード!
聞いた事も無かった中善酒造店さんのメインブランド「中乗さん」。

ほぼほぼ地元流通で県外にもほぼほぼ出てない。そりゃ知らんはずやわ!
でも今や当店では「中乗さん」は有名。ちなみに読み方は「ちゅうじょうさん」じゃないですよ。「なかのりさん」ですからね(笑)

 

早瀬浦 三宅彦右衛門酒造(福井)

この酒業界に入って地酒の事を調べたら必ずと言っていいほどにヒットする「早瀬浦」という名の酒。いわゆる業界で【有名】と呼ばれるジャンルで突っ走っておられる蔵元さん。現蔵元の三宅範彦さんが蔵に戻って新しく「早瀬浦」というブランドを立ち上げました。

昔、ウチでやってた飲み会がありまして、その飲み会に、オモロすぎる団体さんがいらっしゃったんですよ。その飲み会に、三宅さんの将来の奥様がいらっしゃったのですー。


後日飲み会に来てくれたオモロすぎる団体の何人かで酒を飲んでたんですけど、その時に「〇〇さん、実はこの前結婚されたんやけど、実は福井県の「早瀬浦」っていうお酒を造ってる蔵元さんのところに嫁いでん」って聞いたんですよ。「えーーー!」三宅さんと結婚しはったんや!そんなことあるん!凄すぎるやろ(笑)

で、そんなこんなでいろいろありましてありがたくご縁を頂き今に至るんですけど、子供が小さい時は家族で蔵に行かせてもらって子供達も三宅さんの娘さん達と一緒に遊ばせてもらったり、なんか、蔵を訪問する度にホッとするというか馴染み和むというか、人として本当に大好きな蔵元さんでございます。



而今 木屋正酒造(三重)

蔵元の大西さんと初めて会ったのは、蔵元と酒屋の勉強会。勉強会後の懇親会が終わって街に繰り出そうとしていた団体の中に大西さんがいらっしゃいました。

そしたら大西さん、いきなり「かどやさん!前に雑誌に載ってましたね!見ましたよ!」
それが大西さんと喋った初めてやったんです。

で、ある時ワインの事で東京に日帰りで行く用事があって、今から大阪に帰ろうという時にふと、「近鉄電車に乗ったこと無かったから新幹線で名古屋まで行って、近鉄電車に乗り換えて大阪まで帰ってみよう」と思い立ちました。

で、電車の中で本を読みつつ車窓を見てたら、「次は~、名張~」っていう車内放送が流れてきて、「あれ?確か大西さんの蔵って名張とか言うてたんとちゃう?」って思い出し、調べてみたら名張駅からそんなに遠くなさそうやったんで、途中下車してふらっと蔵を見に行ってみようと思い立ったんです。

その日は大西さん不在で(そりゃゲリラ訪問してるし)、手土産とか持ってなかったからカバンの中に入ってたワインを1本「これ渡しといてください」とお願いして大阪に帰ってきたんです。

それからなぜか、「古い滑車があるんですけど、こんなんかどやさん好きとちゃいますか!」っていう連絡に「大好きやから今度もらいに行きますー」って連絡してホンマにもらってきたし、「家族がこの(ウチの店の)近くに来ててみんなを迎えにきた」という流れで大西さんがウチにいきなり寄ってくれたり、取引もないのに奈良萬の東海林さんも交えて一緒に酒を飲んだり(この飲み会がやたらとオモロかった(笑))、大西さんの蔵の蔵人さんが普通に酒を買いにきてくれたりと、そんなたわいもない交流が続いて今に至ります。

大西さん、結構ゲリラが好きなんですよ(笑)「今大阪なんですけど、一緒に飲みません?」とか、「今日、凄い事があるんですけど、今から蔵に来られませんか?」とか(笑)ま、いつもヒマなのでだいたい断る事なく行くんですが(笑)、そんなのもワタクシ、勝手に楽しんでおります(笑)


七本鎗 冨田酒造(滋賀)

冨田酒造の冨田さんとはいつも会う時、場所は仙台でした。
大阪と滋賀やから共に近畿やのに、会うのは仙台(笑)

取引も全然ないのに年に数回会うことがやたらとあって、会えば真面目な話めちゃするし、酒も一緒に飲みながらバカ話もしまくるし、でもそんな時、互いになぜか取引とかそんな話には全然ならなくて、そりゃ冗談交じりで冨田さんが「ウチの酒どうっすか?」とか言うてくるけど完全にシャレやなっていうのも分かるくらいに酔ってるし(笑)

これ毎回思うんですが、取引が全然ない時にいろいろ話をするってめちゃエエ事やと思ってます。
男女みたいなのと一緒で、付き合ってみてから「なんかコイツの性格ムカつくわ」って知ってしまうより、友達の間柄の時に「コイツはこんな性格なんやな」って先に知って付き合うほうがエエんちゃうかって。

冨田さんとの繋がりはまさにこんな感じ。

実際に取引スタートしたのも初めて出会ってから15年以上経ってからですし、ある意味「酒を知ってから人と繋がる」より「人で繋がった後に、その人が造る酒を知る」ほうが自分には合ってるなーって思います。冨田さんとは、まさに後者でございます。

 

19歳の酒 畑酒造(滋賀)

大阪の酒屋3店舗が集まって、「大阪の北摂という地域でなんかオモロいこと出来へんかな」からスタートし、「お酒が飲めない19歳の時に田植え・稲刈り・酒造り体験をし、自分達が携わったお酒で20歳の乾杯をしよう!」という企画【19歳の酒】がスタートしました。その舞台となる滋賀県東近江市「大治郎」醸造元の畑酒造さんがこの企画に賛同してくれて今に至ります。

田植え・案山子作り・稲刈り・酒造り体験・乾杯イベントと、少なくても年に5回畑酒造さんに行ってるのですが、今ご縁を頂いている蔵元さんの中で一番蔵に行ってるのが畑酒造さん(笑)こういうのもオモロいですよねー!

 

秋鹿 秋鹿酒造(大阪)

大阪の酒屋が大阪の酒を扱ってないというのはある意味ちょっとイレギュラーですが、当店はずっとそんな感じでした。もちろん過去に大阪の酒は扱ったこともありますが、なぜかうまいこといかずに終了してしまうことが本当に多かった。

で、あるご縁から毎年冬の時期にだけ、しぼりたてとにごり酒を蔵元さんまで車で引取に行ったり店に送ってもらったりしてたんですよ。

これちょっとややこしいのですが、この業界には大きく分けると、「一般流通」と「限定流通」っていうのがあって、私が秋鹿さんから買ってたのが、どの店でも扱える「一般流通」のお酒。それでもやっぱり大阪の人たちはみんな秋鹿を知ってて、そのしぼりたてですから本当に多くの人たちが手にしてくれてたんですよ。嬉しかったなー。

で、ある時蔵元さんから声をかけてもらって、「限定流通」と呼ばれる、流通先が決まってる特別なお酒も当店に並ぶようになりました。

話は全然違いますが、秋鹿酒造さんってめちゃ自然に囲まれたところにあって、行く度に本当に気持ちが良い。で、ワタクシずっと絶滅危惧種である「タガメ」を探してるんですけど、全然おらんのです。そんな時、そうや!秋鹿さんや!って思い、蔵元である奥さんに「このへんでタガメ捕れませんかね?」って教えてもらったり(未だ捕獲できず)と、ホント大阪にもすごくいいところがあるんやで!ってマジで知って欲しいです!



十石 松山酒造(京都)

ある時、いきなり電話が鳴って出てみると、「松山酒造です」と。
松山酒造さん?どこやろ?一応長いことこの業界にいてるから、ボチボチ耳にしたことある酒造会社さん知ってたりするけど、全く分からない。

どんな銘柄のお酒を出してるのか聞いてみても、「十石(じっこく)」というブランドが分からない。ん?どういうこと?

後日、電話をくれた酒井さんと松山酒造の杜氏さんと一緒にウチの店に来てくれたんですけど、杜氏さんの顔を見て、「あれ?俺絶対どこかでこの方と会った事あるはずや!でもどこで会ったのか分からん!でも絶対に会ってる!」そしたら杜氏さん、高垣さんっていう方なんですが、その高垣さんが私に「前に一度会ってますよ」って言ってくれて、「うわ!やっぱり!やっぱり会ってたわ!」ということが大判明。


杜氏の高垣さん、伏見にある大手蔵「月桂冠」さんの造り手トップのポジションにいらっしゃって、私が大手メーカーの実力を目の当たりした「月桂冠 伝匠」という酒の製造責任者だったのであります!

で、今回抜擢されて「十石」松山酒造さんで酒造りをすることになったということなんですって!
おいおい何コレ!こんな縁、オモロすぎでしょー!

それも関西の酒!関西の酒屋が関西の酒を発信するという、至って普通な事かもしれませんが、そんなの縁でしかなくて、そう、そういうことでございます!



花巴 美吉野醸造(奈良)

ありがたいことにいろんな繋がりから「花巴」の存在は知っておりました。
で、その酒がファンキーであることも噂で知っておりました(笑)

蔵元の橋本さん、びっくりするくらいに実直で、超真面目。奈良吉野もし「真面目男選手権」が開催されれば、確実に「ミスター真面目男」と書かれたタスキをかけて、橋本さんは奈良吉野の様々なイベントに参加してたことでしょう(笑)

ある時、本気で花巴と向き合おうと決めたんですけど、自分の中で花巴に合う食べ物とかがあんまり浮かんでこなくて、そして酒質がファンキーなだけに料理との相性とか本当によく分からなくて、これはアカンということで昔から花巴を扱ってる飲食店「小料理ともか」さんへこっそり勉強しに行ったんですよ。

で、普通の一般客として「花巴を飲みたいんですけど、その花巴に合うアテも一緒に欲しいです」と店主さんにリクエストし、提供された酒とアテがエエ感じに合いまして、「あーそういうことね!」と腑に落ち、取扱開始となった訳でございます。


しかしやはり花巴。
「俺は俺」を貫くスタイルの中に、「蔵のある奈良吉野と寄り添う酒造り」を目指す、型にはまらない猪突猛進タイプ。味わいもとにかくファンキーで超個性派。

そこにすべて橋本さんの理論がバシッと入りまくっております。

オモロい生真面目な男、橋本さんワールドをご体験ください!!

 

大倉 大倉本家(奈良)

初めて会った時は「なかなか濃い男やなー」と。
繰り出される酒も「俺は大倉なんだよ」という主張がハンパじゃないくらい前のめり。

そして全部濃い(笑)存在こそがオンリーワン。まさにこの言葉が、「大倉」の酒と「大倉さん」にフィットし過ぎております。

そして、やたらと下ネタを言うんですよねー(笑)これはワタクシの偏見ですが、下ネタでその場を盛り上げようとするスタイルが結構嫌いでございまして(笑)一時は大倉さんの下ネタ連発に「酒を仕入れるのをやめようか」と本気で検討したほどなんですけど、今では大倉さんも大人になってくれて、油断はできませんがちょっとホッとしております。

どこに行くにも首にタオルを掛けている男、大倉さん。

もしかしたらスーツ着用でもタオルを首に掛けてるかもしれない、とにかく油断ならないオモロい男でございます(笑)



若波 若波酒造(福岡)

最初に言っておきますが、当店、若波酒造と素敵な癒着をしております(笑)

だから何がどうっていうのは全然無いんですけど、若波酒造さんはホント、絡んでて面白いというか、お酒を売らなくてはいけないというより売りたくなる伝えたくなるというか、何って言えばいいのか分からんですが、そう、オモロいのです。

酒造りに対して実直すぎるくらいに実直だし、私が初めて若波酒造の存在を知ったのは、大阪の飲食店さん主催のイベントやったんですけど、それから蔵訪問させてもらって喋ってメシ食って今に至る訳ですが、この気持ちよい真面目さというか、そうなんです。

蔵元の今村嘉一郎氏は大の落語好き。
私もいろいろ教えてもらって落語オモロいやんってなってきて、ホンマに時々寄席に行ったりするんですけど、これ全部今村嘉一郎氏のせいなのであります(笑)(ちなみに過去、嘉一郎さんと私の2人で天満天神繁昌亭にも行ってきた歴アリ)

若波のロゴも前職デザイン系の仕事をしてた嘉一郎さんのひと声で完成したし、お姉ちゃんの友香さんのキャラもナイスやし、若波酒造に関わるすべての人で作り上げてる「若波」が、当店にとっては【癒着対象】でしかないのでございます(笑)


嘉一郎さん、ゲリラ訪問大好き。
彼がウチに来てくれる時のほとんどがゲリラ。


数年前なんか、嘉一郎さんから電話が掛かってきて、「今、店の前にいるんですけど」って(笑)
で、私もそんなゲリラ嫌いじゃないから全く問題無しなんですけど、そしたら嘉一郎さんの姐貴の友香さんもゲリラで当店にやってきた(笑)


もー、兄弟揃ってちゃんと笑いを掴んどるよなー(笑)
ね、これは完全に【癒着対象】でしょ(笑)

 

山の壽 山の壽酒造(福岡)

ある酒屋さんから「これから更に頑張ろうとしている蔵元さんがいるんだよ」と教えて頂いたのがきっかけでございます。

ウチの店に来てくれたのが、社長である片山郁代さん。初めて会った時からもうね、喋る喋る(笑)ちょっと声デカない?っていうくらいに、元気なんですよねー。たまに出てくる意味不明なタメ口に「そのタメ口やめてくれ」と冗談交じりで言ってしまうんですが(笑)、そんな彼女を含めた「チームヤマノコトブキ」がすごく元気で、その結果が全部酒質に出てきてるんです。はっきり言いますけど、山の壽酒造さんがリリースする酒はすべてが本気で「旨い」。酒質のレベルがとても高いです。

1本1本にあるコンセプトが飲むと伝わってくる。それって結構凄い事やと思うんです。

これからもきっと攻めの姿勢はやめないと思います。オモロくなるかもしれません!

 

光栄菊 光栄菊酒造(佐賀)

光栄菊さんとの繋がりは、すべて「山本克明」というひとりの酒職人がきっかけです。

この「山本克明」という男と初めて会ったのは彼が大阪の蔵で働いている時。出会った最初は酒の取扱いを断ったんですけど、その後酒屋さん達と山本さんと一緒に飲む機会があって、そこで酒を飲みながらいろいろ喋ってると「なんや山本さんオモロいやん」と思って改めて酒の取扱いをお願いして今も繋がってるって感じです。

それから山本さんは愛知県「菊鷹」で杜氏としてデビュー。それから数年後に光栄菊酒造の今の経営者である日下さんと田下さんに山本さんがスカウトされ、復活した光栄菊酒造の杜氏として今もグイグイ攻めまくってる訳ですが、そう、そんな感じなんです(笑)

杜氏の山本さん、表舞台に出るのが大の苦手で、それワタクシも同じ気持ちやからめっちゃ分かるんですけど、そう、プラスに言うならシャイ(笑)だからこそ酒造りに向いてるのかもしれませんねー。

異業種からやってきた日下さんも田下さんも、異業種から参入したからこその目線があるし、そんな考えもオモロいし、何より全幅の信頼を置く山本さんをスカウトした段階でエエ人に決まってるのであります(笑)

これからもずっと、飲み手である私達を飽きさせてくれへんやろなー光栄菊酒造さんは(笑)そんな気がしますー。

 

 

 

~本格焼酎~

 

いも麹芋
フラミンゴオレンジ
国分酒造 鹿児島
大和桜 大和桜酒造 鹿児島
たなばた 田崎酒造 鹿児島
大海酒造 鹿児島
金峰 宇都酒造 鹿児島
山大一 大山甚七商店 鹿児島
なかむら 中村酒造場 鹿児島
朝日 朝日酒造 鹿児島
龍宮 富田酒造場 鹿児島
GLOW 若潮酒造 鹿児島
青鹿毛/千本桜     柳田酒造  宮崎 

旭萬年

渡邊酒造場 宮崎
杜氏潤平 小玉醸造 宮崎
中々/百年の孤独 黒木本店 宮崎
尾鈴山山ねこ 尾鈴山蒸留所 宮崎
松露 松露酒造 宮崎
豊永蔵 豊永酒造 熊本
あさぎりの花 高田酒造場 熊本
クラフトマン多田 天盃 福岡


~リキュール~

 

鶴梅      平和酒造 和歌山