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2025-08-29 17:39:00
ベタやけど、やっぱりアナログやな。_d0367608_15521402.jpeg
すべての酒屋がそうではないけど、ウチみたいな系統の酒屋の大半は、自分のところで売ってるお酒の蔵を訪問します。
なんで訪問するかというと、
「1本の酒が造られる背景を知りたいから」
お酒は商品ですから、「モノ」。
いろんなところから仕入れて見栄え良く店内に陳列すれば、誰でも簡単に酒屋ができます。酒専門店と言えてしまいます。
この、見栄えなら誰でも簡単にできてしまう酒屋ですが、単に仕入れて並べて売るだけなら、やはり「モノ」のままなんですけど、それが「モノだけじゃなくなる」事があるんです。
幾つか理由はあるんですが、幾つかある中のひとつが「蔵を訪問する」という事。
蔵を訪問すると、いろんな事がインプットされます。
1本の酒が造られている場所の事、その蔵がある街の風景、地元の人たちに愛されている食、造り手の思いや情熱、どんな思いで今蔵元さんはこれらのお酒を造ってるんだろう?などなど。
そんなことを体験してしまうと、お客さんがレジに商品を持ってきてくれた時、その酒を見ると、その酒が生まれた蔵の事、その酒を造り出した人の事など、「1本の酒に酒と一緒にボトリングされた背景」が頭の中をよぎるのであります。
そうなってしまうともうある意味「沼」で、そんな背景などを、酒の味だけではない、目に見えない部分を伝えたくなってしまうのです。
そしてそんな我々酒屋と同様、蔵元さんも「現地を訪れ、人に会いに行く」のです。
日本酒の原料であるお米。
酒を仕込む時のお米の事を「酒米」というのですが、その酒米が育つ場所を訪問し、その酒米を育てている人たちに会いに行く蔵元さん。
先日、全国の蔵元さんと一緒に、「山田錦」の故郷・兵庫県東条地区に行ってきました。
流通の要となるJAさんや全農さん、そして山田錦を育てる農家さん。
普通の酒屋である当店がそこにいるのは毎回不思議で仕方がないのですが、自分のところで販売させてもらってる、ご縁ある蔵元さんの酒の原料の生まれ故郷に実際に訪問させて頂けるというのは、もう酒に関わるすべての人たちへのリスペクトが増大するしかないのです。
こんな貴重な体験をさせて頂く度に思う事があります。
「アナログって最強やな」
いくらAIが登場し猛烈に便利になろうと、ネットが普及しまくってどこにいても何でも買える時代になろうと、SNSがどれだけ普及しようと、実際に会わなくても出来るZOOM会議が当たり前になろうと、やっぱり「人と人が実際に会う」事には勝つことは出来ないなとマジで思うんです。
人って感情のある生き物ですから、何度も会って話をしてたら、「あの人オモロかったな」とか「あの人と一緒に仕事してみたいな」とか、いろんな感情が芽生えてきます。
人ですから性格的に合う合わないもあるでしょう(私なんか山ほどありますから)、それだって会って実際に話をしてみないと分からない訳ですから(メールやLINEだけでは分からない世界が山ほどある)、やっぱり最後は「リアルに会う」が最高となると思うんです。
「人と人」
これはもう何百年前から「大事やで」って言われ続けてたんじゃないかと思うんですが、大半はそこじゃなく、「モノで繋がろうとする人が多い」。
私がそうじゃないとかではなく客観的に見てそう感じるだけですからスルーしてもらってもエエんですけど、例えば酒屋業界だと、
「どうやってあの銘柄の蔵元さんを口説き落としたんですか?」とか、
「あの銘柄を扱うにはどうしたらいいですか?」とか、
別に悪くないし、分からんから聞いてるだけの事でしょうから全く問題ないし、私も昔は「あの蔵元の特約店になるにはどうしたらいいんだろう?」とか考えたし、やり方や接点が分からんから先輩酒屋さんに聞いた事もあったし、気持ちは分かる。
そこからありがたいことにいろんな経験をさせてもらって、前から分かってたけど「人と人」やなっていう結論に毎回なるんです。
私の師匠は新潟の酒屋さんで、もう御年90歳を越える「早福岩男」さんという方なんですが、私がまだ20歳代の時かなー。
余裕で20年以上前ですよ。
「人を見るんだよ」
「最後は人だよ」
「モノとモノで繋がれば簡単に切れてしまうけど、人と人で繋がればそう簡単に切れないからね」
会う度に毎回同じ事を教えてくれ、まさに早福さんは私の【酒屋の原点】。
そう、「人」なんです。
皆さんも「よく分かってる」「そんなん当たり前やん」って思ってらっしゃると思うんですが、それでもやっぱり「モノ」に傾いてしまう。
ウチの酒屋は普通すぎてこれっぽちもオモロないですが(オモロくしようと努力はしてる)、今ご縁を頂いている蔵元さんの大半は、「その蔵元の酒を知る前に人と出会ってる」。
酒を飲んで美味しいから興味が湧いた・扱いたい・蔵に行ってみたいっていうパターンは殆ど無い。
ちょっとしたきっかけで蔵元さんに出会って、「あ、この蔵元さんってこんなキャラなんだ」っていうのを知った後に「その蔵元さんがリリースしている酒を飲む」みたいな。
だから、モノの前に人に会ってるから、商品そのものが「『〇〇』という銘柄を造る〇〇酒造さん」というよりも、「〇〇さんが造る『〇〇』というお酒がこの蔵元さんの酒なんだ」っていう感じ(ややこしかったらすみません。)。
これって全然違うんです。
ウチがチェーンのコンビニに加盟している時は、パソコンの中に蓄積されたデータを見ながら発注してました。
いわゆる「売れ筋死に筋」っていうやつです。
仕入れてみて売れなかったら扱うのをやめるし、売れるものを更に売っていくスタイル。
でもそこには当然のことながら、それらの商品を作る人の顔なんて知りませんし、感情移入すらしません。
今は、「信頼する〇〇さんが造る酒だから少しでも多くの人に知って欲しい!」「あの人が造ったこの酒をしっかり売るぞ!」になってる。
売れないから仕入れるのをやめようという発想は全く無いし、売れないのは相手が知らないだけでその酒に全く責任は無い訳だから、知ってもらう努力をすればいいだけで、売れないからとかそういう発想の人とは私おそらく話が出来ないし友達になれないかもしれない(笑)
あと、いろんなところで業界向けの試飲会とかもあります。
ブースに蔵元さんがいて、ブース越しにいろんなお酒を飲んで、「あ、これ美味しいですねー。仕入れできますか?」っていうのも私の中では「?」でしかない。
そのパターンでその蔵の酒を仕入れた人は、他にその酒より旨い酒を造る蔵元さんと出会ったら、「あ、これ美味しいですねー。仕入れできますか?」って同じ事言うてるやろうから、先に取引した蔵元さんとは疎遠になってしまうというパターンが多すぎる。
つまり、「モノ」なんですよね。
アカン訳では無いけど、私の師匠が言うように、旨い酒と出会ってすぐ取引する人は、他に旨い酒と出会うと同じように他の蔵元さんと取引する訳ですから、「モノとモノ」。だから、すぐ繋がりが切れてしまうんやと思います。
「人と人」で繋がれば、そうはいかない。
酒の出来なんて毎年毎回違う訳ですから、蔵元さんだって納得できない時もある。
でも、納得できない酒が出来た背景もあるわけで、そこに「人と人」という、蔵元さんと酒屋さんの関係の中にそれがあれば、その納得できない酒が出来てしまった背景を知る事が出来る。
暑すぎてお米が溶けなかったとか、仕込み中に気温が下がらず、出来るだけのことはやった結果この酒が出来たなど。
じゃあその点を理解した上で、この酒が最もポテンシャル発揮出来る瞬間はどこなんだろう?
食べ物との相性?飲む時の温度?いろいろ考えて「これだ!」というポジションを見つけてお客さんに紹介します。
「売れるから売る」じゃなくて「売りたい伝えたい」にならないと、私個人としては非常にもったいないし、失うものも多いんじゃないかと勝手に思っております。
あともうひとつ自分の中にしっかり刻み込んでいるのは、
「繋がる時には繋がるし、繋がらない時はどう足掻いても繋がらない。だから、焦らない」
すぐに蔵元さんに取引依頼をする酒屋さんが多い。多すぎる。
そんなにすぐ告白してどうすんの?っていつも思う。
可愛い女の子がいて、会ってその日に「好きです」って言ってるようなもん。
ま、それで成就することだってあるだろうけど、付き合ってみて今まで知らなかったプライベートな部分を見た時でも変わらず好きだって言えるのかというと、難しいですよね。
酒屋と酒蔵は恋愛・結婚みたいなもんやと私はずっと思ってます(というか、新潟の師匠からずっとそう教えてもらってた)。
だから、取引開始するまでに一緒にメシ食いながら酒も飲むし、酒造りの話、酒との向き合い方、造り手の思いなどなど、とにかく焦らずじっくり時間をかけて自分の中でいろいろ考える。
総合的にいろんな事考えて、「あー、取引したいなー」って思っても焦らない。
そう、焦らない。
繋がる時には必ず繋がるから焦らない。
繋がる瞬間が今じゃないだけで、いつか必ず繋がる時には繋がるからそれでいい。
蔵元さんにすぐ取引依頼(告白)する人って、他にいいなって感じた蔵元さんが出てきたらまたすぐに取引依頼(告白)する。
その繰り返し。だから飲食店さんやお客さんにとっては「あれ?もうやめたの!この前取扱開始したばっかりやん!」ってなる。
で、信用を無くしていく。
その繰り返し。
ま、それで本人がエエんやったら別にどっちでもエエんですけど、そういうシーンを見て思うのは、「本人さんはこの繰り返しをしてオモロいんかな」って。
滋賀県に「七本鎗」という酒を造る冨田酒造さんがあります。
そこの蔵元・冨田さん(トミー)とは、もう15年以上の繋がりで、でも取引開始したのは数年前。
全く取引してなかった10年間くらい、別にお互いどちらから「取引しよう」っていう話はしなかったし、でも会うと酒を飲むし、真面目な話もめちゃするし、でもこれは私の勝手な感覚ですけど、「トミーとはいつか繋がる」って思ってましたし、案の定繋がりました。
そんなんでエエかなって本気で思っております。
まだまだ書きたい事はありますが、もう終了。
「人が人と会うと、思いがけない化学反応が起こり予想もしなかった結果になることなんて山ほどある」
ベタでアナログな「人と人」はやはり最強です。
長文失礼しました。

 

 

2025-08-17 09:42:00

【超長文ご注意】

 

基本的にほぼ1年間開催しております、かどや酒店のお酒の頒布会。

 

当店の頒布会は、基本的に【銘柄は非公開】にしてるんです。

 

どうして【銘柄は非公開】にしてるかというと、

 

「先入観なくシンプルに楽しんで欲しいから」

 

「銘柄非公開」にしてるのは、「過去の記憶と頭で酒を飲む事から一旦離れてみよう」

 

雑誌で見たことある銘柄や有名と呼ばれる銘柄を追いかけたい。

自分が贔屓にしている銘柄以外は飲まないようにしている。

過去に飲んで合わなかった銘柄は見かけても一切飲まない。

有名と呼ばれる銘柄はあえて避けている。

 

・・・まだまだいろいろあると思うんですよ考えや思いが。

 

銘柄を追いかける事は趣味としては全然いいんじゃないでしょうか。

でももしかしたら、ちょっとあえてそのスタイルを休憩してみたら、いつも追いかけているジャンルじゃないお酒で気に入ってしまうお酒に出会えたらファンになるかもしれない。

 

この銘柄しか飲まない!と決めてても、新しい出会いでお酒を選ぶ選択肢が広がるかもしれない。

 

過去に飲んで合わなかったけど、あれから数年以上経過してるし、改めて飲んでみたら「え!こんなだったっけ?」って思えるかもしれない。

 

有名と呼ばれる酒をあえて避けてたけど、改めて向き合ってみたら案外好みの味かもしれない。

 

私はそんな感じがするんですよねー。

 

ワタクシ、本を読むのが好きなんですけど、一度読んで気に入った作家さんの本があると、その作家さんの本ばっかり選んでしまうんですよねー。読んだ事のない作家さんの本になかなか手が出ないんです。

 

だって、読んだ事あってめちゃオモロかった作家さんやったら、なんか安心じゃないですか?

 

誰かに本を借りたり譲ってもらったり、「あの本オモロかったよ」ってオススメしてもらって読んでみたら、「ちょっと待って!今まで知らなかったジャンルやけど、めちゃオモロいやん!」っていう経験を私は山ほどしております。

 

だから今では、完全にノンジャンル。

逆に新しいチャレンジをしたくなって、知らない作家さんの本を読んで新しい世界が広がるのが楽しくて楽しくて仕方がないのです。

 

嗜好品であるお酒もそんな世界があると勝手に思ってます。

 

だからこそ頒布会くらいは【銘柄非公開・お届けまで銘柄内緒】でもいいんじゃない?って思って、そんなスタイルでやっております。

 

で、話は戻って。

 

今回も引き続き、いつもの日本酒頒布会に加えて、

 

【蒸留酒頒布会開催】

 

そう、焼酎やスピリッツを含めた蒸留酒の頒布会も開催!

 

今、マジで本格焼酎がオモロくなってきておりまして、これは酒屋と酒蔵みんな肌で感じている事。

そしてこのオモロさに、確実に飲み手の皆さんの反応が違ってきている事。

 

今まで以上にカジュアルでポップな飲みものとして、【蒸留酒】が選択肢のひとつになっているような気がします。

 

是非ご検討を!

 

詳しくは、当店オンラインショップからお願いします。

 

当店Instagramのプロフィールページから、かどや酒店オンラインショップに飛べます!

 

https://kadoya-sake.ocnk.net/

 

「オモロそうやん」って思ってもらえたら是非ご参加くださいー!

 

よろしくお願いいたします!

 

最後までお読み頂き有り難うございました!

 

#かどや酒店

2025-08-04 07:54:00
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報告です。

 

かどや酒店のスタッフであります「玉城大輔(たまきだいすけ)」が2025年7月29日、急逝しました。

 

 

玉城大輔は主に、皆さんからご注文をいただいた商品の発送梱包業務に従事し、そのポジションで自分の強みと個性を大いに発揮してくれました。

 

「そこまで完璧に梱包しなくても大丈夫ちゃう?」っていうくらいの完璧な梱包でお酒を発送してくれていたタマキ。それはすべて、輸送中に酒が割れないようしっかり皆さんのお手元に届けたい、そして蔵元さんから預かった酒が割れてしまわないように、という強い思いがあってこそ。

 

まさしく「酒屋梱包選手権世界大会」というものがあればメダルは確実な程に技術力がありました。もうここまでいけば【職人級】です。

 

興味あるものについてはタマキの記憶力の良さはとにかく抜群。かどや酒店の酒の在庫数、お客さんが買ってくれた酒の銘柄、お客さんの趣味に、彼の酒にまつわる知識。もうダントツ!

 

タマキは言葉少なめで黙々と作業をこなすタイプ。その反面、人のハートをくすぐる遊び心を決して忘れない梱包をやってくれてました。

 

ウチで働いてくれる前、タマキは実はずっと、お客としてウチに来てくれてたんですよ。今の酒屋になってからやから、おそらく22年とか23年くらい前かな?

 

お客として店に来てくれた時はいろんな話をしました。いつも閉店時間間際に来店。

お互いの事を、閉店時間が過ぎるまでずっと立ち話。いや、もしかしたら私のほうがずっと喋ってたかも。彼、なんか聞き上手なんですよ。「うんうん」って話を聞いてくれて、それに優しいし。

 

で、いろいろありまして約6年くらい前、「ウチの酒屋で一緒に働かへん?」と私達からスカウト。

 

それからいろんなタイミングが重なり、ウチに来てくれる事になったんです。

 

タマキの母方の実家は、高知県の日本酒の元蔵元さん。

 

タマキは本当は、酒屋じゃなくって、酒造りをやりたかったんです。ずっと前から「いつか酒造りをしてみたい」と話してくれてました。

でも、年齢だったり様々な条件から造りの世界には行けなくて。

 

ステージは違うけど、自分が好きな酒の世界で働けるならと、酒屋であるウチに来てくれるようになりました。

 

タマキは接客、つまり人と接するのがちょっと苦手。

そして彼の前職は倉庫内作業。

だったら、彼の得意分野で大いに活躍して欲しくて、その彼の得意分野が、まさしくかどや酒店を支える黒幕的ポジション、表舞台ではない裏方、発送梱包作業だったのです。

 

で、ある時から、

 

「タマキの梱包ヤバい」

 

そんな言葉がお客さんから多く届くようになりました。

 

「こんな声が届いてるで」と伝えたところ、それを聞いたタマキは本当に嬉しそうでした。

 

「今まで働いてた倉庫業では、マイナスの事を言われる事ばかりで、褒められることが殆ど無かった。もっと言うと、自分が表舞台に出る事なんて一度も無かった。そんな私でもこうやってお客さんから褒めてもらえたり、『タマキ』という自分の名前を覚えてもらえることが本当に嬉しい」

 

何度も何度も言ってました。

本当に嬉しかったんだと思います。

 

タマキはそんな、【裏方という最高の表舞台】で自分の力を最後まで発揮し続けてくれました。

 

タマキの体調の急変は、誰もが予想できなかった。もう、驚きと悲しみしかありません。

 

彼が遺してくれたたくさんの事を決して忘れる事なく、スタッフみんなでまた更にオモロく「かどや酒店再出発」します。

 

約6年間という短い期間でしたが、今まで職人級の「タマキが梱包してくれたお酒」を受け取ってくださった全国の皆さん、本当にありがとうございました!

 

そして、「タマキの梱包ヤバい」という、彼にとって最高の褒め言葉を伝えてくれてありがとうございました!

 

告別式も8月3日、無事終わりました。

もっと早くご報告すべきだったかもしれません。すみませんでした。

 

玉城大輔についての今回の報告については、ご遺族の皆様より許可を頂き発信させていただいております。

 

「かどや酒店のタマキ」、またどこかで思い出してやってください!

 

長文失礼しました!

 

かどや酒店

2025-08-03 08:13:00

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夏休みいただきます。

オンラインショップも休みです。

 

よろしくお願いします!

 

 

2025-07-30 07:37:00

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どうぞよろしくお願いします!

 

8月3日から7日まで夏休みとなります!

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