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2021-10-16 18:12:00
改めて考えてみた。思うところがありまして。

日本酒に本格焼酎、ワインなど、酒のジャンルはいろいろあって、で、それらを造っているメーカーさんがあって。


メーカーさんはそれぞれ個性を持った酒を造り銘柄という名のブランドを持つ。


それぞれのメーカーさんは自分のブランドを知って欲しい、ファンを増やしたいと思い、それを酒質や自分達の生き様で表現し、オンリーワンな独自のポジションを確立していく。


そんな生き様に酒屋は惚れ、造り手と会い、互いに本音で話し合い、共にタッグを組みたいと思った時に手を繋ぎ、酒屋での販売が始まる。


酒屋と酒蔵の繋がりというのは結婚と同じだと私は大先輩酒屋さんから教わり、まさしくその通りだと思うから今も本気でそう思ってる。


結婚は簡単にできるけど、離婚は簡単には出来るもんじゃないと聞くから、結婚にはとても慎重になる。結婚してからもプラスの事マイナスの事いろいろあるんだし、嫌な事があったからといってすぐに離婚という訳にはいかない。


互いの個性を認め合い、いろんな意味で妥協も必要で、その都度話し合いつつ相手の生き様もしっかり尊重しながら認め合っていかないと。


だから、取引が始まって調子の良い時はいいけど、色んな意味でそうじゃない時も必ず出てくる。新規取引開始して調子良い時はバシバシ発信するけど、なんかテンション下がってしばらくしてその銘柄の取り扱いをすぐにやめる酒屋さんをチラホラ見かける。そういう光景を見ると「惚れて結婚したんだったらそんなに簡単には離婚はダメでしょ」と言いたくなる(私も昔はそんな経験もあったし、今もいろんな意味で完璧酒屋ではないから反面教師として)。


手を繋いだ蔵元さんのお酒が酒屋の店頭に並んだ時、ここからが勝負。世間に「結婚しました」とお披露目をする訳だから、簡単に棚から下げる事はしないようにしたい。

だって、「よし!」と互いに手を繋ぎ、共にやっていこう!と決めたんだから。


酒屋は個性の塊。基本的に頭がカタくてややこしく面倒臭い店主が多すぎて難儀やけど、そこがまた面白い。


そんな個性の塊である酒屋店主のフィルターを通して発信される様々な蔵元さんの酒は、【確実に酒屋によって味が違う】と言い切りたい。それはなぜかというと、その蔵元に対する酒屋の熱量や蔵元さんと酒屋の関係性などが加わり、更に酒屋の個性がその酒に込められていると思うから。


それが必ず飲み手の皆さんには伝わってるんじゃないか、もしくは伝わっていてほしいと、現場に居て思いっきり感じる。


個性の塊である酒屋は、それぞれの蔵元のファンを増やしていく事は当然の事ながら、それだけで終われない。それだけで終わってはいけないような気がする。


信頼し合える蔵元さんとタッグを組み、時には蔵元さんの持つブランドの信頼を借り、時には蔵元さんがその酒屋ブランドの信頼を借りながら共に成長していく。そしてその向こうには、それぞれの蔵元さんの事のみではなく、もっと広い視野で『日本酒って面白いな』『本格焼酎ってワクワクするな』って言ってもらえる発信をしていく。

 


試飲会だったり飲み会といったイベントもそうだし、今ならオンラインを通じたライブ配信もワクワクして面白い。また、テーマを持った酒の飲み比べ(同じ銘柄のヴィンテージ違い/同じ製法で造られた蔵元違い/同じ蔵元の米違い/修行時代や学生時代同期同士の酒/親友同士の酒)など、優劣を決めるものではなく、お酒の楽しさの幅が広がり、『こんなに味わいに違いがあるんだ!』『めちゃくちゃオモロいやん』って感じで貰える事が結果としてそれぞれの蔵の酒のファンになってもらえたり日本酒や本格焼酎の世界のファンになって貰えるんじゃないかと思う。


時には遊び心も必要。興味を持ってもらわないと話も聞いてもらえない。逆にガチガチな真面目さも大事で、その世界に突っ込んでいく時にはトコトン突っ込んでいくのも必要。


で、何が言いたいかというと、蔵元には蔵元にしか出来ない事があって、酒屋には酒屋にしか出来ない事がある。棲み分けながらも実は全部繋がってて、最後は飲み手である皆さんに『美味しいなー』『オモロいやん』って言ってもらいたいと思ってる。で、そう言ってもらえた時はいつも心の中でワタクシ、最大限のガッツポーズをしてるのであります。


「他の酒屋にもあの銘柄あるけど、どうせならあの酒屋から買いたい」


「あの酒屋であの酒に出会えて良かった」


「なぜか毎週あの酒屋に行ってしまう」


「あの蔵の酒があの酒屋に置いてる意味が分かるような気がする」


「ウチの蔵、あの酒屋とタッグを組めて良かったなー」


もしそう言ってもらえるとしたらサイコーの褒め言葉だし、そう思ってもらえるような酒屋を目指したい。

  

 

 


【みんなで良うなろうや】


 

これも大先輩酒屋さんの言葉。

 

 

造り手、伝え手、飲み手。

みんなで『オモロいやん』って言い合える繋がり。全国の蔵元さん酒屋さん、きっとみんな同じことを思ってるんじゃないかと思うんですけど、どないです?


シンプルすぎて時流に乗れず、古すぎる考えで皆さんに迷惑をかけておりますが、『酒屋だからこそ出来る事を真面目にオモロく』発信していきますので、これからもどうぞ大阪のマイクロ酒屋をよろしくお願いいたします。




Instagramやってます→ https://www.instagram.com/kadoyasaketen_osaka/

 

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