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報告です。
かどや酒店のスタッフであります「玉城大輔(たまきだいすけ)」が2025年7月29日、急逝しました。
玉城大輔は主に、皆さんからご注文をいただいた商品の発送梱包業務に従事し、そのポジションで自分の強みと個性を大いに発揮してくれました。
「そこまで完璧に梱包しなくても大丈夫ちゃう?」っていうくらいの完璧な梱包でお酒を発送してくれていたタマキ。それはすべて、輸送中に酒が割れないようしっかり皆さんのお手元に届けたい、そして蔵元さんから預かった酒が割れてしまわないように、という強い思いがあってこそ。
まさしく「酒屋梱包選手権世界大会」というものがあればメダルは確実な程に技術力がありました。もうここまでいけば【職人級】です。
興味あるものについてはタマキの記憶力の良さはとにかく抜群。かどや酒店の酒の在庫数、お客さんが買ってくれた酒の銘柄、お客さんの趣味に、彼の酒にまつわる知識。もうダントツ!
タマキは言葉少なめで黙々と作業をこなすタイプ。その反面、人のハートをくすぐる遊び心を決して忘れない梱包をやってくれてました。
ウチで働いてくれる前、タマキは実はずっと、お客としてウチに来てくれてたんですよ。今の酒屋になってからやから、おそらく22年とか23年くらい前かな?
お客として店に来てくれた時はいろんな話をしました。いつも閉店時間間際に来店。
お互いの事を、閉店時間が過ぎるまでずっと立ち話。いや、もしかしたら私のほうがずっと喋ってたかも。彼、なんか聞き上手なんですよ。「うんうん」って話を聞いてくれて、それに優しいし。
で、いろいろありまして約6年くらい前、「ウチの酒屋で一緒に働かへん?」と私達からスカウト。
それからいろんなタイミングが重なり、ウチに来てくれる事になったんです。
タマキの母方の実家は、高知県の日本酒の元蔵元さん。
タマキは本当は、酒屋じゃなくって、酒造りをやりたかったんです。ずっと前から「いつか酒造りをしてみたい」と話してくれてました。
でも、年齢だったり様々な条件から造りの世界には行けなくて。
ステージは違うけど、自分が好きな酒の世界で働けるならと、酒屋であるウチに来てくれるようになりました。
タマキは接客、つまり人と接するのがちょっと苦手。
そして彼の前職は倉庫内作業。
だったら、彼の得意分野で大いに活躍して欲しくて、その彼の得意分野が、まさしくかどや酒店を支える黒幕的ポジション、表舞台ではない裏方、発送梱包作業だったのです。
で、ある時から、
「タマキの梱包ヤバい」
そんな言葉がお客さんから多く届くようになりました。
「こんな声が届いてるで」と伝えたところ、それを聞いたタマキは本当に嬉しそうでした。
「今まで働いてた倉庫業では、マイナスの事を言われる事ばかりで、褒められることが殆ど無かった。もっと言うと、自分が表舞台に出る事なんて一度も無かった。そんな私でもこうやってお客さんから褒めてもらえたり、『タマキ』という自分の名前を覚えてもらえることが本当に嬉しい」
何度も何度も言ってました。
本当に嬉しかったんだと思います。
タマキはそんな、【裏方という最高の表舞台】で自分の力を最後まで発揮し続けてくれました。
タマキの体調の急変は、誰もが予想できなかった。もう、驚きと悲しみしかありません。
彼が遺してくれたたくさんの事を決して忘れる事なく、スタッフみんなでまた更にオモロく「かどや酒店再出発」します。
約6年間という短い期間でしたが、今まで職人級の「タマキが梱包してくれたお酒」を受け取ってくださった全国の皆さん、本当にありがとうございました!
そして、「タマキの梱包ヤバい」という、彼にとって最高の褒め言葉を伝えてくれてありがとうございました!
告別式も8月3日、無事終わりました。
もっと早くご報告すべきだったかもしれません。すみませんでした。
玉城大輔についての今回の報告については、ご遺族の皆様より許可を頂き発信させていただいております。
「かどや酒店のタマキ」、またどこかで思い出してやってください!
長文失礼しました!
かどや酒店